概要
ReadCache4.6.1.0 での変更点一覧を説明します。
直近の公開バージョンである 4.5.2.1 からの更新点となります。
動作環境
サーバー側
- Windows Server 2008 R2
- Windows Server 2012
- Windows Server 2012 R2
- Windows Server 2016
※ 上記サーバー OS の動作条件は Citrix XenDesktop の動作条件により制約されます。
利用者端末側
- Windows 7 (32bit / 64bit)
- Windows 8 (32bit / 64bit)
- Windows 8.1 (32bit / 64bit)
- Windows 10 (32bit / 64bit)
※ 上記利用者端末OSの動作条件は Citrix XenDesktop の動作条件により制約されます。
ネットブート環境
Citrix Provisioning Services 7.6Citrix Provisioning Services 7.7Citrix Provisioning Services 7.8Citrix Provisioning Services 7.9Citrix Provisioning Services 7.10Citrix Provisioning Services 7.11Citrix Provisioning Services 7.12Citrix Provisioning Services 7.12 以降ないしは 7.6 LTSR (7.6.4以降)- Citrix Provisioning Services 7.12
- Citrix Provisioning Services 7.13
- Citrix Provisioning Services 7.6.4
(7.1〜7.11 でも動作しますが、ご利用にあたっては注意事項がございますのでお問い合わせください)
新機能
PVS 7.10、PVS 7.11、PVS 7.12 に対応しました
これにともない、ReadCache サーバー フィルターの導入がオプションではなく必須となりました。
VHDX 形式の vDisk には対応していません。PVS 7.7 以降ではデフォルトで VHDX 形式の vDisk が作成されるため、イメージの作成時には必ず VHD 形式に変更してください。
各端末内のキャッシュ領域があふれそうになった時に、キャッシュを自動的に消去し、適切なキャッシュデータを貯め直す機能が追加されました
端末の電源起動時にキャッシュ領域の使用量を確認して、使用量が一定の割合を超えているときには、一定の確率でキャッシュをクリアできるようになりました。
ReadCache ディスク管理ツールで「管理フラグの編集」ダイアログにおいて [キャッシュ] タブに次のような設定項目が追加されています。
- キャッシュの利用率が高くなったらキャッシュの内容を削除する (デフォルト有効)
- 利用率の上限値 (デフォルト値 90%)
- 利用率上昇時の flush 確率 (デフォルト値 5%)
※ 上記のデフォルト値は ReadCache 4.6 で vDisk を拡張した場合の値です。
ReadCache 4.5 以前で作成したディスクは上記の設定はそれぞれ「無効」「0%」「0%」となります
動的キャッシュ サイズの最小値を指定できるようになりました
端末上に複数ディスクのキャッシュを保持するようなケースで、キャッシュ領域として最低限確保すべきサイズを指定できるようになりました。
指定されたサイズのキャッシュ領域を確保できない場合には、他のディスクのキャッシュ データを削除した上で、キャッシュ動作を開始します (※デフォルトの動作。Release on cache full フラグがオフの場合は、キャッシュ領域を確保しません)。
この値は「ディスク管理ツール」の「管理フラグの編集」ダイアログにおいて、[キャッシュ] タブの [動的キャッシュサイズの最小値] で変更できます。
デフォルト値は 2GB です (ReadCache 4.0~4.5 においては、64MB で固定されており、この値を変更できませんでした)。
(参考) キャッシュ サイズの決定方法について
キャッシュ パーティションが 180GB のときにディスク A (動的キャッシュ サイズが 80GB) で起動すると、80GB 分のキャッシュ領域を確保します。
そのあと、ディスク B (動的キャッシュ サイズが 80GB) で起動すると、追加で 80GB 分のキャッシュ領域を確保します。このとき、キャッシュパーティションの残りのサイズは約 20GB (=180GB - 80GB - 80GB) となります。
さらに、ディスク C (動的キャッシュ サイズが 80GB) で起動すると、残りの約 20GB をキャッシュ領域として確保します。
しかし、これではキャッシュが溢れて、十分に ReadCache の効果を得られないことがあります。
そのような場合には、「動的キャッシュ サイズの最小値」において、最低限確保すべきキャッシュ領域のサイズを指定します。今回の例では、「動的キャッシュ サイズの最小値」に 20GB 以上の値が設定されていた場合には、ディスク A・ディスク B のキャッシュ領域を削除したあと、ディスク C のキャッシュ領域を新たに 80GB 確保します。
ReadCache システムモニターにおいてユーザー名やディスク名を収集できるようになりました
ReadCache システムモニターにおいて、次の情報を収集できるようになりました。
- 端末の IP アドレス、MAC アドレス
- ログオン中のユーザー名、ログオン時間
- 最後にログオンしたユーザー名、ログオン時間
- ReadCache の系列名、リビジョン番号
- 起動中のディスクのファイル名
- 端末の起動時刻 (およびシャットダウン時刻)
- ReadCache のキャッシュ利用率
※ ReadCache 4.5 以前のクライアントが導入されている端末では、これらの値はすべて空欄となります。
このうち、「ログオン中のユーザー名、ログオン時間」を収集するかどうかは、ReadCache クライアントのインストーラーで設定できます。
ReadCache システムモニター コンソールにおいて端末が起動中か分かるようになりました
ReadCache システムモニター コンソールにおいて、端末名の左側にアイコンを追加しました。
このアイコンにより、端末の電源が入っているかどうかを簡単に判別できるようになりました。
デフォルトでは、直近の 3 分以内に端末から情報が送られてきたときに「電源起動中」と判定します。この 3 分という値は、メニューの [表示] > [設定] から変更できます。
ReadCache システムモニター コンソールで表示している情報を CSV 出力できるようになりました
ReadCache システムモニター コンソールにおいて、端末の情報を CSV ファイルに出力できるようになりました。
メニューから [ツール] > [CSV にエクスポート] で実行できます。
機能改善
ReadCache パーティション作成ツールの使い勝手を改善しました
- 「未使用」の領域が1つだけの場合にはデフォルトでその領域を選択するようになりました。
- Enter キーでキャンセル ボタンが押されることがないように修正しました。
ReadCache システムモニター コンソールの使い勝手を改善しました
- 列の選択ダイアログに列の説明を表示するようになりました。
- 列の選択ダイアログでカラムの並び替えができるようになりました。
- 列の選択のサイズや非表示の列の並び順が保存されるようになりました。
- カラムを右クリックして、列を非表示にできるようになりました。
ReadCache システムモニター クライアントの起動が速くなりました
ReadCache システムモニター クライアントのサービスを「自動 (遅延開始)」ではなく「自動」で導入するようになりました。 これにより、端末が起動してから、端末の情報が ReadCache システムモニター コンソールで確認できるようになるまでの時間が短くなります。
ReadCache ドライバーのログ出力を改善しました
- 起動時に、キャッシュの利用率と利用量をログ出力するようになりました。
- vDisk に設定されたフラグの状態をログ出力するようになりました。
ReadCache ドライバーにおいてキャッシュ ディスクの認識を待機する秒数を変更できるようになりました
ReadCache 4.0~4.5 ではキャッシュ ディスクが認識完了するまで 5 秒間待機していましたが、この時間をレジストリーでカスタマイズできるようになりました。
キャッシュ ディスクが存在するにもかかわらず、「時間内にキャッシュ ディスクを認識できませんでした。」というログが出力される場合には、下記のレジストリーを追加することをお勧めします。
キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\ReadCache\Parameters
値の名前 LocalDiskWaitSeconds
値の種類 REG_DWORD)
値のデータ 待機する秒数
ReadCache クライアントツールの使い勝手を改善しました
- 転送量の詳細表示をしているときに、カウンター値が更新されたところに色をつけて表示するようになりました。
VerifyCache の使い勝手を改善しました
- 標準エラーに情報が不適切に出力されないようにしました。
SHA-2 のコード署名証明書を利用するようになりました。
ReadCache のドライバーに対するコード署名証明書を、SHA-2 ハッシュ アルゴリズムを使用したものに変更しました。ご利用の OS ごとに、次のような影響があります。
- Windows 8 および Windows 8.1 においては影響はありません。
- Windows 7 (32 ビット版) においては影響はありません。
- Windows 7 (64 ビット版) においては、ReadCache を本バージョンに更新する前に、マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ 3033929 の更新プログラムである「Microsoft Windows (KB3033929) の セキュリティ更新プログラム」が導入されている必要があります。この更新プログラムが適用されていない場合には、Windows Update により事前に導入してください。
※ 4.5.1.4 で SHA-2 を利用するようになったとお伝えしていましたが、変更が不完全でした。申し訳ございません。
各系列ごとのキャッシュ領域のサイズの既定値を「20GB」から「vDisk のサイズと同じ」に変更しました。
この変更により、新規に ReadCache を利用しようとした系列(ディスク)は、多くの環境においてキャッシュ領域全体を利用することになります。 複数の系列のキャッシュを同時に保持したり、CO-Store に含まれる CO-Booster を利用したりする際には、各系列のキャッシュサイズを明示的に指定するようにしてください。
修正点一覧
- インストーラーを実行したアカウントとは異なるアカウントで [プログラムと機能] を表示したときに、一覧に表示されないことがある不具合を修正しました。
- ReadCacheClient で変更領域履歴の変更量が 4GB 以上のときに正しい値が表示されていなかった不具合を修正しました。
- ReadCacheManager で変更領域履歴の変更量が 4GB 以上のときに正しい値が表示されていなかった不具合を修正しました。
- ReadCache モニタークライアントにおいて、端末起動時にサーバーがオフラインだと、ドライバーの動作ログが送付されない不具合を修正しました。