はじめに
本書では、CO-Store , PVS , ReadCache がインストールされているサーバー環境での バージョンアップ作業の注意点と、作業手順を説明します。
バージョンアップ対象のコンポーネントは下記の通りです。
- サーバー側
- Citrix ライセンスサーバー
- PVS コンソール
- PVS サーバー
- CO-Store コンソール
- CO-Store サーバー (CO-Booter サーバー)
- ReadCache サーバー
- ReadCache フィルター
- クライアント側
- ReadCache ドライバー
- ReadCache クライアント
- PVS ターゲットデバイス
作業の流れは以下の通りです
- 事前準備
- サーバーモジュールのバージョンアップ
全ての端末の運用を停止して実施する手順 端末の運用を止めることなく実施する手順 - ディスクイメージごとのバージョンアップ
なお、サーバー1台環境の場合は、「端末の運用を止めることなく実施する手順」を実施することはできません。
PVS をバージョンアップする場合の注意点
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ReadCacheフィルターについて
ReadCacheフィルターがインストールされているサーバーで PVS のバージョンアップをする場合、PVS のバージョンアップを開始する前に ReadCacheフィルターをアンインストールしておく必要があります。 なお、ReadCacheフィルターのアンインストールを完了するには、OSの再起動を要します。 PVS のバージョンアップ後、ReadCacheフィルターをインストールしてください。 -
PVS 7.17 から 7.18 へのバージョンアップについて
PVS 7.17 から 7.18 へバージョンアップ開始前に Citrix Diagnostics Facility を手動でアンインストールする必要があります。 -
ブートローダーについて
PVSのバージョンアップに伴い、C:\ProgramData\Citrix\Provisioning Services\Tftpboot 内にある、各 PVS のブートローダーもアップデートされます。
ブートローダーもバージョンアップされたものをご利用ください。
事前に現状のブートローダー関連のモジュール類 (TFTPサーバーのルートフォルダ) をバックアップしておくことをお奨めします。
なお、端末が BIOS モードのネットブートを利用している場合は、各 BIOS 用のブートローダー (及び関連モジュール) の再設定が必要となります。手順は以下をご参照ください。
PVS の BIOS ブートローダーの設定
PVS の BIOS用 ブートローダーの設定は下記 Citrix のドキュメントをご参照ください。
https://docs.citrix.com/ja-jp/provisioning/current-release/configure/configure-console.html
ブートストラップファイルの構成
CO-Booter の BIOS ブートローダーの設定
CO-Booter の BIOS用 ブートローダーの設定は、CO-Storeの構成ウィザードから、 もしくは、Ardbp32Editor を用いて行ってください。 Ardbp32Editor の設定は、CO-Booter2.5_UserGuide.pdf の、「2.4.3. Ardbp32Editor の実行」をご参照ください。
CO-Booster の モジュールについて
CO-Booster は、PVS のブートローダーのバージョンに依存します。 最新のCO-Booster モジュールを取得してください。 なお、CO-Booster は後方互換性があるため、以前のバージョンの PVS ブートローダーに対応します。
UEFI のブートローダーについて
基本的にバージョンアップ後のモジュールを入れ替えるのみです。
事前準備
バージョンアップ作業開始前に下記の作業を完了させておいてください。
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イメージの更新作業を完了させておく
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CO-Store のタスクを全て完了させておく
CO-Store のタスクとは、「イメージ更新」「イメージの削除」「基本のマージ」などを実施した際に登録されるタスクのことです。CO-store コンソールの [ストア] - [タスク一覧] を開き、登録されている全てのタスクの「状態」が「成功」になっていることを確認してください。 -
Citrixライセンスサーバーのバージョンアップ
最新のライセンスサーバーをインストールしてください。 新しいCitrix製品の中には、最新のライセンスサーバーを使用しないと正しく動作しないものがあります。 新しいライセンスサーバーには後方互換性があるため、以前のバージョンのCitrix製品やラインセンスファイルをサポートします。
[Citrixライセンスサーバーのバージョンアップ手順]
Citrix サポートページの手順をご参照ください。
https://docs.citrix.com/ja-jp/licensing/current-release/upgrade.html
基本的には、新しいバージョンのインストーラをダウンロードした後、既存の Citrix ライセンスサーバー上でインストーラを実行し、上書きインストールするという手順となります。
サーバーモジュールのバージョンアップ (全ての端末の運用を停止して実施する手順)
※「事前準備」が完了していることを確認してください。
CO-Store サーバー、PVS サーバーのバージョンアップ手順は以下の通りです。
PVS のバージョンアップ手順
※ ReadCacheフィルターがインストールされていない場合は、1 , 2 , 5 の手順は不要です ※ PVS 7.17 から PVS 7.18 へバージョンアップする場合は、「プログラムと機能」からCitrix Diagnostics Facility をアンインストールして、アンインストールが完了した後、以下の手順を実行してください。
- 「プログラムと機能」から ReadCacheフィルターをアンインストールする
- OSを再起動する
- PVS サーバーのインストーラを実行して上書きインストールする (インプレースアップグレード)
- PVS の構成ウィザードを実行する ※ PVS7.17以前の場合は「既存のファームを再構成する」を、PVS7.18の場合は、「ファームが既に構成されています」を選択してください。
- ReadCacheフィルターをインストールする (この時、新バージョンのReadCacheフィルターをインストールすることも可能です)
- PVS コンソールのインストーラを実行して上書きインストールする (インプレースアップグレード)
※ 1 ~ 6 を全てのサーバーで実施してください
[BIOSのブートローダーを利用している場合]
- 「PVS をバージョンアップする場合の注意点」の項の 「PVS の BIOS ブートローダーの設定」 参照
- 設定したブートローダーを TFTP サーバーのルートフォルダに配置する
CO-Store バージョンアップ手順
- 「プログラムと機能」から CO-Store コンソールをアンインストールする
- CO-Store コンソールのインストーラを実行して、CO-Store コンソールをインストールする
- 「プログラムと機能」から CO-Store サーバーをアンインストールする
- CO-Store サーバーのインストーラを実行して、CO-Store サーバーをインストールする
- CO-Store 構成ウィザードを実行する
※ 1 ~ 5 を全ての サーバーで実施してください
[BIOSのブートローダーを利用している場合]
- 構成ウィザードの 「TFTP 用パッケージ作成」で、BIOS 用のブートローダーの作成をすることができます
詳細は、CO-Store3.0インストールガイド 「3.4. 設定ウィザードの実行」の「7. TFTP 用パッケージ作成」をご参照ください。 - 設定した ブートローダーを TFTP サーバーのルートフォルダに配置する
ReadCacheのバージョンアップ
PVSのバージョンアップ時にReadCacheフィルターをバージョンアップしている場合は、下記の 1 ~ 3 の手順は不要です
- 「プログラムと機能」から ReadCacheフィルターをアンインストールする
- ReadCacheフィルターのインストーラを実行してReadCacheフィルターをインストールする
- OSを再起動する
- 「プログラムと機能」から ReadCacheサーバーをアンインストールする
- ReadCacheサーバーのインストーラを実行してReadCacheサーバーをインストールする
サーバーモジュールのバージョンアップ (端末の運用を止めることなく実施する手順)
※「事前準備」が完了していることを確認してください。
概略
下記の順序で実施してください
- CO-Store マスターサーバーの PVS , CO-Store , ReadCacheフィルター のバージョンアップ
- ブートローダーの配置
- マスターサーバーの復帰
- その他のサーバー (スレーブ/追加サーバー) の CO-Storeサーバー , PVSサーバー , ReadCacheフィルター のバージョンアップ
- ReadCache のバージョンアップ
1. マスターサーバーのバージョンアップ
PVSのバージョンアップ
※ PVS 7.17 から PVS 7.18 へバージョンアップする場合は、「プログラムと機能」からCitrix Diagnostics Facility をアンインストールして、アンインストールが完了した後、以下の手順を実行してください。
- PVS コンソールを起動する
- [ストア] - [ストア-Link] のプロパティを開く
- [ストア-link] の [ストアプロパティ] の [サーバー] タブの[このストアを提供するサーバー] からマスターサーバーのチェックを外す ※数分待機する
- [サイト] - [サイト名] - [サーバー] から、マスターサーバーを右クリックし、[デバイスの再配分] をクリックし、再配分を実行する
- マスターサーバーに接続している端末がいなくなったことを確認する マスターサーバーの [接続] が 0 になり、他のサーバーの接続が増加します
- 「プログラムと機能」から ReadCacheフィルターをアンインストールする
- OSを再起動する
- PVS サーバーのインストーラを実行して上書きインストールする (インプレースアップグレード)
- PVS の構成ウィザードを実行する ※ PVS7.17以前の場合は「既存のファームを再構成する」を、PVS7.18の場合は、「ファームが既に構成されています」を選択してください
- ReadCacheフィルターをインストールする (この時、新バージョンのReadCacheフィルターをインストールすることも可能です)
- PVS コンソールのインストーラを実行して上書きインストールする (インプレースアップグレード)
##### [BIOSのブートローダーを利用している場合]
- [PVS をバージョンアップする場合の注意点]の項の [PVS の BIOS ブートローダーの設定] 参照
CO-Store のバージョンアップ
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「プログラムと機能」から CO-Store コンソールをアンインストールする
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CO-Store コンソールのインストーラを実行して、CO-Store コンソールをインストールする
-
「プログラムと機能」から CO-Store サーバーをアンインストールする
-
CO-Store サーバーのインストーラを実行して、CO-Store サーバーをインストールする
-
CO-Store 構成ウィザードを実行する
[BIOSのブートローダーを利用している場合]
-
構成ウィザードの 「TFTP 用パッケージ作成」で、BIOS 用のブートローダーの作成をすることができます
詳細は、CO-Store3.0インストールガイド 「3.4. 設定ウィザードの実行」の「7. TFTP 用パッケージ作成」をご参照ください。
2. ブートローダーの配置
- BIOS 及び UEFI のブートローダー 及び関連モジュールを TFTP サーバーのルートフォルダに配置する
3. マスターサーバーの復帰
- PVS コンソールを起動する
- [ストア] - [ストア-Link] のプロパティを開く
- [ストア-link] の [ストアプロパティ] の [サーバー] タブの[このストアを提供するサーバー] からマスターサーバーのチェックを入れる
4. その他のサーバーのバージョンアップ手順
- PVSサーバーのバージョンアップ
[マスターサーバーのバージョンアップ手順] の「PVS のバージョンアップ」 1 ~ 11 と同様の手順となります。
「マスターサーバー」の部分を、実施するサーバーに読み替えてください。 - CO-Store サーバーのバージョンアップ
[マスターサーバーのバージョンアップ手順] の 「CO-Store のバージョンアップ」 1 ~ 5 と同様の手順となります。 - サーバーの復帰
[マスターサーバーのバージョンアップ手順] の「マスターサーバーの復帰」 1 ~ 3 と同様の手順となります。
「マスターサーバー」の部分を、実施するサーバーに読み替えてください。
ReadCacheのバージョンアップ
PVSのバージョンアップ時にReadCacheフィルターをバージョンアップしている場合は、下記の 1 ~ 3 の手順は不要です
- 「プログラムと機能」から ReadCacheフィルターをアンインストールする
- ReadCacheフィルターのインストーラを実行してReadCacheフィルターをインストールする
- OSを再起動する
- 「プログラムと機能」から ReadCacheサーバーをアンインストールする
- ReadCacheサーバーのインストーラを実行してReadCacheサーバーをインストールする
ディスクイメージごとのバージョンアップ
※ PVS 7.17 から PVS 7.18 へバージョンアップする場合は、「プログラムと機能」からCitrix Diagnostics Facility をアンインストールして、アンインストールが完了した後、以下の手順を実行してください。
- イメージを更新状態にして、端末を起動して管理者アカウントでログオンする
- ReadCacheMonitorClient.ini などのファイルを修正している場合は、バックアップします。
- 「プログラムと機能」から ReadCache ドライバー、ReadCache クライアントをアンインストールする
- Windows を再起動する
- 新バージョンの PVS ターゲットデバイスのインストーラを実行する (インプレースアップグレード)
- Windows を再起動する
- ReadCache ドライバー、ReadCache クライアントをインストールする
「ReadCache システムモニター」をインストールする場合は、情報を収集するサーバーの「IP アドレス」を入力する - バックアップした設定ファイルを復元する
- 端末をシャットダウンして、イメージの更新を終了する