CO-CONV サポート

文章番号18-013

CO-Spray で端末側のディスク イメージがマージされるタイミングを制御する方法

公開
2018年09月26日
対象製品
  • CO-Spray 5.0
  • CO-Spray 1.1

概要

CO-Spray では端末のディスク容量には制限があるため、ディスクイメージの容量や個数が一定数以上になると、自動的にマージ処理が実施されます。

マージ処理は次のような順番で実行されます。

  1. 新バージョンの受信するとき、または、別のバージョンで起動するように処理を開始するときに、「内蔵ディスクの空き容量が小さいかどうか」と「保持するバージョン数が設定された値を超えているか」を確認します。
    該当する場合には、次回の電源起動時に Windows PE で起動します。
  2. Windows PE で起動すると、不要なバージョンをマージして削除します。
    ディスクの種類やディスク サイズによっては、マージ処理数十分程度の時間を要する場合があります。
  3. 指定されたバージョンで自動的に起動します (指定されたバージョンを保持していない場合は、受信してから起動します)。

このような挙動により、一般利用者が端末を利用しようとしたときにマージ処理が実行されてしまうと、利用者を混乱させてしまうこととなります この文章では、利用者が電源を起動したタイミングでマージ処理が実施されないようにするための設定方法を説明します。

詳細

端末側でマージ処理が実行されにくくするための設定

CO-Spray コンソールのディスクのプロパティーおいて次のように設定することで、端末側でのマージ処理が可能な限り抑制されるようになります。

設定項目
ディスク容量 > 端末で保持する最大容量 2048GB
ディスク容量 > 書き込みキャッシュの容量 15GB 程度
ディスク容量 > 端末で保持するバージョン数 (バージョンの最大数) 999個

このように設定されていると、端末内に空き容量が十分にある限りは、過去のバージョンのディスクイメージをすべて保持しようとします。

空き容量が足りないと判断する基準はおおまかには次の通りです。

新しいバージョンの受信を開始するとき
「書き込みキャッシュのために確保した容量 [15GB] + 新バージョンのディスクサイズ」 が「D: ドライブの空き容量」を上回るとき
新しいバージョンの利用開始時
「書き込みキャッシュのために確保した容量 [15GB] + 端末固有の設定のための容量 [1GB]」が「D: ドライブの空き容量」を上回るとき

新しいバージョンを配信するときにマージが実行される可能性がある場合には、次に示す手順で手動でマージ処理を実行することをお勧めします。

端末内の古いディスクイメージを 1 台ずつ削除する手順

この手順は、端末側において 1 台ずつ作業する手順となるため、すべての端末において同じ作業を実施することになります。

複数の端末に対して一括して削除処理を実施したい場合には、後述する 端末内の古いディスクイメージをまとめて削除する手順 を実施することをお勧めします。

  1. 端末に管理者としてログオンする。

  2. コマンドプロンプトを管理者権限で起動します。
    コマンドプロンプトのタイトルバーに "管理者: コマンドプロンプト" と表示されることを確認してください。

  3. SprayAdmin.exeDeleteVersion コマンドを実行します。
    ディスク名が Win10 で、バージョン 3 で起動しているときに、バージョン 0, 1 のディスクイメージを削除する場合は、次のように入力して、Enter キーを押します。

    実行例:

     C:\> "D:\Program Files\CO-CONV\CO-Spray\SprayManage" DeleteVersion Win10.0.vhdx Win10.1.vhdx
     2017-05-16 23:09:51,373 INFO  Win10.0.vhdx, Win10.1.vhdx を削除するように指定されました。
     2017-05-16 23:09:51,389 INFO  次のディスクをマージします: Win10.0.vhdx, Win10.2.vhdx
     2017-05-16 23:09:52,233 INFO  再起動後、管理 OS で次のコマンドを実行するよう設定します: DeleteVersion
     Win10.0.vhdx
     Win10.1.vhdx
     2017-05-16 23:09:52,311 INFO  正常終了しました。
    

    ※ 起動中のバージョンを削除対象として指定することはできません。

    ※「再起動後、管理 OS で次のコマンドを実行するよう設定します」と表示されれば成功です。

  4. 端末を再起動します。
    管理 OS で指定されたバージョンをマージ処理によって削除します。 処理が完了すると、自動的に再起動して、元々起動していたディスクイメージで起動します。

複数の端末で同じ処理を実行する場合は、3. で入力する内容をバッチファイルに記載しておいて、バッチファイルを管理者として実行すると、少しだけ手間が省けます。

バッチファイルの例:

"D:\Program Files\CO-CONV\CO-Spray\SprayManage" DeleteVersion Win10.0.vhdx Win10.1.vhdx
pause

端末内の古いディスクイメージをまとめて削除する手順

サーバー側から、複数の端末上の古いバージョンのディスク イメージの削除を開始させる手順を説明します。

作業を実施するときには、利用者が端末を利用していない状態、かつ、作業対象の端末の電源が入った状態で実施していただく必要があります。

  1. 作業対象の端末の電源を投入します。
    複数の端末に対して作業する場合は、その全て端末の電源を投入します。

  2. ディスク設定を確認します。

    1. 端末が所属しているグループを右クリックして、[プロパティー]を選択します。
    2. ディスクが選択されていることを確認して、[設定] ボタンを押します。
    3. どのような設定値になっているかをメモします。
    4. [キャンセル] を押してディスクの設定を閉じます。
    5. [キャンセル] を押してグループのプロパティーを閉じます。
  3. 一時的に異なるバージョンで起動するためのグループを作成します。

    1. CO-Spray コンソールで [グループ] を右クリックして [新しいグループの作成] を選択します。
    2. 作成したグループを右クリックして、[プロパティー] を選択します。
    3. [追加] ボタンを押して、削除処理を実行するディスクを選択して [OK] ボタンを押します。
    4. [設定] ボタンを押して、2.3 でメモした設定と同じになるように設定します。 ただし、[利用開始] は [強制的に再起動して利用開始する] に変更します。 [バージョン] は、作業対象の端末が保有するバージョンのうち、起動中ではないものを選択します。
    5. [OK] を押してディスクの設定を閉じます。
    6. [OK] を押してグループのプロパティーを閉じます。
  4. 作業対象の端末を 3. で作成したグループに移動します。

    • 端末は自動的に再起動して、3. で指定したバージョンで起動します。
    • 3. で指定したバージョンで起動しているかどうかは、CO-Spray コンソールを定期的にリロードして [現在のディスク] を確認してください。
  5. 端末で保持するディスク数を変更して、元々のバージョンで起動させます。

    1. CO-Spray コンソールで、一時的に作成したグループを右クリックして [プロパティー] を選択します。
    2. ディスクが選択されていることを確認して、[設定] ボタンを押します。
    3. [バージョン] を 2.3. でメモした元々のバージョン番号に設定します。
    4. [端末で保持するバージョン数] の横の [変更] ボタンを押して、端末上に残すバージョンの数を入力します (CO-Spray 5.0 においては [バージョンの最大数] と [マージ後のバージョン数] の両方に入力します)。
    5. [OK] を押してディスクの設定を閉じます。
    6. [OK] を押してグループのプロパティーを閉じます。
      • 端末は自動的に再起動します。必要に応じて、Windows PE で起動して、古いディスクを削除します。処理が完了すると、5.3. で指定したバージョンで起動します。
      • 5.3. で指定したバージョンで起動しているかどうかは、CO-Spray コンソールを定期的にリロードして [現在のディスク] を確認してください。
  6. グループの設定を元に戻します。

    1. 作業を行った端末を一時的なグループから、元のグループに移動します。
    2. 一時的なグループを右クリックして、[削除] を選択して削除します。

(補足) マージを実施する頻度を下げる方法

CO-Spray 5.0 では、ディスクのプロパティーにおいて [マージ後のバージョン数] を指定できるようになりました。

この機能により、マージ処理を実施した後のバージョン数を制御できるようになり、マージ処理が動く頻度を抑えられるようになりました。

例えば、[バージョンの最大数] が 6、[マージ後のバージョン数] が 3 の場合、端末側で保持するバージョンが 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 (7個) のときにマージ処理を実施すると、保持するバージョンは 7, 8, 9 (3個) となります。このあと、3 つのバージョンを配信しても、マージ処理は実施されません。

(補足) マージ処理が実行される条件

CO-Spray がマージ処理を実行する条件を説明します。

新しいバージョンの受信を開始するとき

内蔵ディスクの空き容量が「新バージョンのディスク ファイル」よりも小さい場合にマージ処理を実施します。

  • ディスクイメージで起動したままでマージできるファイルがある場合には、その場でマージして空き容量を確保します。
  • ディスクイメージで起動したままマージできない場合や、マージしても空き容量が足りない場合には、次回起動時に Windows PE で起動して、古いディスクの削除処理と受信処理を実施します。
    必要なディスクイメージの受信が完了した段階で自動的に再起動して、受信したバージョンで起動します。

新しいバージョンの利用開始時

必要な空き容量を確保できない場合や端末内のディスク イメージの個数が [端末で保持するバージョン数] を上回る場合にマージ処理を実施します。

  • ディスクイメージで起動したままでマージできるファイルがある場合にはマージして空き容量を確保します。
  • ディスクイメージで起動したままマージできない場合や、マージしても条件を満たさない場合には、次回起動時に Windows PE で起動して、古いディスクを削除して、空き容量とディスクイメージの個数を調整します。
    調整が完了した段階で、自動的に再起動して、新しいバージョンバージョンで起動します。