概要
CO-Store をご利用の環境における vDisk のバックアップ手順、およびバックアップした vDisk のリストア手順を紹介します。
「vDisk のバックアップを、CO-Stroe/PVS サーバーとは別のサーバーの CIFS 領域などに定期的にバックアップしたい」というご要望に基づくものです。
詳細
バックアップ手順としては以下の 2 つの方針があり、それぞれ長所・短所があります。用途に応じて方針を選択してください。
いずれの方針でバックアップする際にも、バックアップ先容量の空きが十分あることを常にご確認ください。
a. 差分を維持したままバックアップする
- 長所
- 更新された vDisk をバックする場合、原則として追加された差分をバックアップすることになるため、日常的にバックアップする用途に向いています。
- 更新の履歴が維持できます。1
- 短所
- バックアップした vDisk を別名で登録することはできません。2
b. 単独ファイルで動作する形でバックアップする
- 長所
- 単独の vhd(x), pvp ファイルとなるため、リネームしてどこに登録することも可能です。
- 短所
- 以下の理由により、日常的に複数の運用ディスクをバックアップする用途には向きません。
- 更新ごとにバックアップしようとすると、1 バージョンごとにフルサイズの容量を消費することになります。3
- 一時的な作業領域として vDisk のディスクサイズ (端末の C ドライブの容量) の作業容量が必要です。4
以下、それぞれの手順を述べます。
a. 差分を維持したままバックアップする
バックアップ手順
-
vDisk 情報 xml (PVS 用語で マニフェストファイル) を出力する
・ 以下のコマンドを実行してください (この手順は CO-Store 5.0.0.1 以降では不要です。)
> cd "C:\Program Files\CO-CONV\CO-Store\Server" > CO-StoreApi.exe export_disk --store=STORE_NAME --title=DISK_NAME
変数名 説明 STORE_NAME ご利用環境のストア名。 DISK_NAME バックアップ対象の vDisk 名。 -
対象の .(a)vhd(x), .pvp, .xml をすべてバックアップする
・ robocopy などで、ストアパス (vDisk が保存されているフォルダ) からバックアップ先にコピーしてください。
例えば、E:\vDisk からサーバー 1.2.3.4 上の共有フォルダ Backup へ DISK_NAME という vDisk を バックアップする場合は以下のコマンドになります。(以下のコマンドでは、変化したファイルのみがコピーされます。)
> robocopy E:\vDisk \\1.2.3.4\Backup DISK_NAME.* /XF *.0.xml /PURGE
※ robocopy コマンドの使い方やオプションの詳細は robocopy /? コマンドなどでご確認ください。
オプション名 説明 /XF DISK_NAME.0.xml をバックアップ対象から除外しています。5 /PURGE コピー元で削除済みのファイルをバックアップ先でも削除します。6
以上を実行するスクリプトをタスクスケジューラーなどから定期的に実行するように設定することで、バックアップの定期実行が可能です。
リストア手順
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バックアップしていた .(a)vhd(x), .pvp, .xml を登録先ストアのストアパスにコピーする
・ 原則としてバックアップ元と同じ名前のフォルダに設置するようにしてください。別名のパスに設置した場合には、PVS, CO-Store, ReadCache の動作の一部に不具合が生じる可能性があります。
・ DISK_NAME.xml は必須ですが、DISK_NAME**.0.xml** は含めないでください。(含まれていると手順 4 で vDisk が確認できません。)
・ Diff 以下からバックアップした vDisk は依存している vDisk すべてが必要です。
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PVS コンソールを起動する
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登録先のストアで右クリックして 既存の vDisk の追加またはインポート を選択する
-
既存の vDisk の追加またはインポート ダイアログで 検索 ボタンを押す
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リストアする vDisk のチェックボックスをオンにして 追加 ボタンを押す
b. 単独ファイルで動作する形でバックアップする
バックアップ手順
CO-Store コンソールを利用した手順を紹介します。7
先述の理由により、定期的なバックアップとしてこの手順を利用するとストレージやバックアップ先の消費が非常に大きくなりますので、
この方針を定期的なバックアップに適用することをご検討の際には事前にご相談ください。
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CO-Store コンソールを起動する
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バックアップ対象のバージョン (最新バージョンなど) を選択して右クリックして このバージョンから新しいディスクを作成する を選択する
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新しいディスクを作成 ダイアログで 基本のマージを実行する をオンにして OK を押す
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基本のマージ タスクが完了するのを待つ (通常、長くても 2-3 時間で完了します)
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マージ完了後に、作成された .vhd(x), .pvp ファイルをバックアップする ・ .xml ファイルは不要です。
リストア手順
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バックアップしていた .vhd(x), .pvp を登録先ストアのストアパスにコピーする ・ .xml ファイルは不要です。 ・ .vhd(x), .pvp を同じ名前に揃えてリネームして登録することが可能です。
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PVS コンソールを起動する
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登録先のストアで右クリックして 既存の vDisk の追加またはインポート を選択する
-
既存の vDisk の追加またはインポート ダイアログで 検索 ボタンを押す
-
リストアする vDisk のチェックボックスをオンにして 追加 ボタンを押す
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ただし、中間バージョンの削除などによりバックアップ先のファイル構成は変化することがあります。(オプションなどにより制御可能です。) ↩︎
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バックアップ元と同じフォルダ名にリストアする必要があります。フォルダ名が同じであれば、別のサーバーでも構いません。 ↩︎
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たとえば、ディスクサイズが 100GB の vDisk の場合、10 バージョンで 1TB になります。 ↩︎
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たとえば、ディスクサイズが 100GB の vDisk が 8 種類運用されていた場合、作業領域として 800GB の空きが必要です。 ↩︎
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リストア時に DISK_NAME.0.xml というファイルが含まれていると PVS への登録処理が正常に動作しません。 ↩︎
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影響があるのは中間バージョンの削除をした場合です。中間バージョンを削除した際にも削除したバージョンのファイルのバックアップを削除をしたくない場合には、/PURGE オプションを除外してください。
・ Diff 以下にある vDisk については依存している vDisk のすべてが必要になります。 また、バックアップの際にもフォルダを別にするようにしてください。 ↩︎
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この手順の自動化が必要となる場合には、ご相談ください。環境に応じてスクリプトの提供など検討させていただきます。 ↩︎