概要
「CO-Colors ほたて」をご利用の環境では、適切な設定が行われていれば、Windows Update を実施しても問題が起きることはありません。 ただし、一部のお客様から「Windows Update 後にネットブート・ローカルブートでの起動に失敗するようになった」との報告が寄せられることがありますので、原因と対処方法についてお知らせいたします。
詳細
問題が発生した場合は、次の手順でトラブルシューティングしてください。
1. ドライバー更新有無の確認
Windows Update により、NIC のドライバーが更新されてしまうと、ネットブート起動時に「黒い背景で白い点が回転するところ」 から先に進まなくなります。
ドライバーが更新されてしまったかどうかは、次の手順で確認できます。
-
サーバー上で更新バージョンまたは更新後のバージョンをマウントします。
-
マウントしたドライブの
Windows\INF\Setupapi.dev.log
を開きます。 -
ファイル内に Windows Update 実施後の日付で次のようなログがあるかどうかを確認します。
>>> [Install Driver Updates] >>> Section start 2022/03/22 10:00:00.000
ドライバー更新の抑止手順
Windows Update によって NIC のドライバーが更新されてしまうと、ネットブートできなくなります。 そのため、インストール手順においては、Windows Update でのドライバー更新を無効化する設定をしていますが、アプリケーションの導入や更新などをきっかけとして、この設定が消えてしまっているケースが見受けられます。
現象が発生するイメージにおいて、次の手順で「ドライバー更新を無効化する設定」が適用されているかどうかをご確認ください。
- 端末上でレジストリー エディターを起動します。
- 左側のツリーで
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate
を開きます。 ExcludeWUDriversInQualityUpdate
という名前の値があり、REG_DWORD
として1
が設定されていることを確認します。
上記のレジストリーはグループポリシーによって上書きされる可能性もありますので、グループポリシーの設定も併せてご確認ください。
グループポリシーの場所は コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Windows コンポーネント > Windows Update > Windows Update から提供される更新プログラム管理
の Windows Update からドライバーを除外する
です。
問題が発生した場合の回復手順
次の手順で、新しいバージョンを作成しなおしてください。
- 問題が起きたバージョンをほたてコンソール上で破棄する。
- ドライバーの更新が行われないように設定して、新しいバージョンを作成する。
- 新しいバージョンを端末に割り当てて、問題が発生しないことを確認する。
2. ファームウェア更新の有無の確認
Windows Update により、ファームウェアが更新されてしまうと、端末起動時途中に一定時間 (長い場合は数分もしくはそれ以上) 停止したあと、端末が再起動を繰り返します。
本問題が発生しているか確認するには、次の手順を試してください。
- 問題が発生している端末でイメージの更新を開始する。
- 問題が発生している端末を起動して、一定時間放置する (途中で再起動が何度か挟まることがあります)。
- 無事に起動してきた場合、ファームウェアの更新が問題といえます。
念のため、次のログを確認して、起動時刻に更新が実施された情報が出力されていることを確認してください。C:\Windows\INF\Setupapi.dev.log
- Windows のイベントログ (System, Application)
ファームウェア更新の抑止手順
メーカーによっては、ファームウェアの設定画面おいて、ファームウェアの更新を停止する設定があります。 ご利用の端末機種ごとにご確認ください。
問題が発生した場合の回復手順
問題が起きている端末でファームウェアの更新を完了させることが難しい場合は、次の手順で現象を回避してください。
- 問題が起きたバージョンをほたてコンソール上で破棄する。
- 更新端末においてファームウェアが更新されないように注意しながら、新しいバージョンを作成する。
- 新しいバージョンを端末に割り当てて、問題が発生しないことを確認する。
問題の再発を防止するために、すべての端末でファームウェアの更新が無効に設定されているか確認することをおすすめします。
3. それでも起動できない場合
次の手順で起動できない端末上でログを収集してください。
- 更新モードで端末を起動して、現象を発生させる。
- 端末を強制終了して 2~3 分待機する。
- サーバー上で更新バージョンのディスクイメージをマウントして、次の情報を収集する。
Windows\INF\Setupapi.dev.log
(ドライバーの更新情報)Windows\System32\winevt\Logs
(イベントログの情報)
収集したログを見ても理由が分からない場合は、「ログファイル」「端末起動時の画面の動画」「端末起動時の画面の右上隅の点の色」の情報をまとめた上で、当社までお問い合わせください。サポート契約に基づき対応いたします。
お問い合わせの際には、次の情報をいただけると、対応がスムーズになります。
- 問題が起きる端末、起きない端末の違いはないかどうか。
- 更新端末では現象が発生するかどうか?
- 更新端末以外のすべての端末で発生するか? 一部の端末で発生するか? 一部の端末でのみ発生するのであれば、発生する端末と発生しない端末でハードウェア構成が異なっていないか。
- 問題が起きる端末において、更新前のバージョンで起動できるかどうか。
- Read キャッシュの利用を無効に設定して、起動できない端末で起動できるようになるか。
- ほたてコンソールにおいて、端末のブートメニューから、起動できないメニューアイテムを選択します。メニューアイテムのプロパティーにおいて [詳細設定を表示する] をチェックして、[ReadCache フラグ] の [Read フラグ] のチェックを外して起動を試します。