3.5.1. キャッシュの容量

キャッシュ容量の目安

ネットブートにおける 1イメージあたりの ReadCache の消費量の目安は 40 ~ 60 GB 程度です。 ディスクイメージのサイズとの間に直接的な関係はありません。 多くのアプリケーションを使用するような環境では、これよりも多く消費するかもしれませんが、ほとんどのケースにおいて上記の範囲に収まります。 100GBといった容量を消費している場合には、 ウィルス対策によるフルスキャンやデフラグといった何かしら不要な読み込み処理が行われているものと想定して調査の対象となります。

WriteCache の消費量の目安は 10 ~ 30 GB 程度です。 こちらは、端末を起動したあとにどの程度の書き込みを行うかにより大きく変動します。端末を起動した後に長時間放置したり、多数のユーザが順番にログインしたり、デフラグ等の不適切な設定が行われているときに消費容量は大きくなります。

ディスクイメージの割り当てが1つのみの端末においては 50 ~ 90 GB 程度の領域を確保できるようにします。 複数のディスクイメージを割り当てる場合には、以下の計算式でキャッシュ領域の容量を見積もります。

ReadCache の消費量 × 割り当てイメージの数 + WriteCache の消費量

注意

通常、端末が再起動した際にWriteCache は初期化されるため、ディスクを複数種類割り当てている場合においても WriteCache の領域は1つのみになります。

キャッシュの空き容量が不足するとどうなるか

ネットブートで起動した端末を利用中に、なんらかの要因によりキャッシュの容量が不足した場合には、端末の動作が不安定になり最終的にフリーズし利用できなくなることがあります。

キャッシュの空きが不足する場合にはいくつかの要因が考えられます。

  • キャッシュ領域の容量が適切ではない。
  • 1イメージあたりの ReadCache, WriteCache の消費量が大きい。
  • 使用していないイメージのキャッシュが残っている。
  • ReadCache, WriteCache の最小サイズの設定値が適切ではない。

メモ

Windows においては、キャッシュ容量が不足した時に警告が表示されます。その後さらに残容量が減ったときには自動的に再起動したりフリーズします。

キャッシュ容量の確認方法

各端末においてどの程度のキャッシュが消費されているかを知る手順は、「サーバー側」「端末側」の2つの方法があります。 サーバー側であれば多数の端末の情報を一覧で確認できます。 端末側では端末ごとの状態をより詳細に確認できます。

詳細についてはそれぞれの確認手順をご参照ください。

3.5.2 章 サーバー側でのキャッシュ状態確認

3.5.3 章 端末側でのキャッシュ状態確認