3.4.7. 定期マージ

定期マージ機能について

ディスクの更新を繰り返してバージョン数が増えてくると、サーバーが開く vhdx ファイルの個数が増えるため、サーバーのパフォーマンスが低下してくる可能性があります。

定期マージを実施すると、10バージョンごとに古いバージョンとマージした vhdx ファイルが生成されます。 その結果、バージョン数が増えても、開く vhdx ファイルの数が少なく抑えられます。

注意

ストレージの容量が少ない環境においては、定期マージされた vhdx ファイルがディスク容量を圧迫する要因となる可能性があります。 中間バージョンの定期マージ処理を実施したくない場合は /NoPeriodicMerge オプションを指定してください。

定期マージの実施

この機能を利用するためには、ストレージの空き容量が十分に存在している必要があります。

管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、下記コマンドを実行します。

> HotateAdmin.exe CleanUpStore

中間バージョンのマージや不要な vhdx ファイルを bak フォルダに移動する処理も同時に実施されます。

定期マージの詳細仕様

定期マージ機能により、どのような vhdx ファイルが生成されるかを説明します。

特定のディスクにおいて、バージョン10まで更新すると、ストア上には次のようなファイルが作成されます。

バージョン0:       バージョン 0 の vhdx
バージョン1:       バージョン 0 からバージョン 1 への差分 vhdx
バージョン2:       バージョン 1 からバージョン 2 への差分 vhdx
      :
バージョン9:       バージョン 8 からバージョン 9 への差分 vhdx
バージョン10:      バージョン 9 からバージョン 10 への差分 vhdx

この状況で定期マージ機能を実行すると、新たに「バージョン 0 からバージョン 10 への差分vhdx」が作成されて、バージョン 10 の vhdx ファイルは 2 つになります。

バージョン10: バージョン 9 からバージョン 10 への差分 vhdx
             バージョン 0 からバージョン 10 への差分 vhdx

このような vhdx ファイルを作成することで、バージョン11を利用する際に必要となるファイルの数が12個 から 2個 へと削減されるため、サーバの性能向上に繋がります。

なお、バージョン 10 以降についても同様に、10 バージョンごとに 10 個前のバージョンからの差分 vhdx が作成されます。

バージョン20: バージョン 19 からバージョン 20 への差分 vhdx
             バージョン 10 からバージョン 20 への差分 vhdx
バージョン30: バージョン 29 からバージョン 30 への差分 vhdx
             バージョン 20 からバージョン 30 への差分 vhdx

ただし、バージョン番号が100 の倍数のときには、バージョン 0 からバージョン 100 への差分 vhdx が作成されます。

バージョン100:  バージョン 99 からバージョン 100 への差分 vhdx
               バージョン 0 からバージョン 100 への差分 vhdx
バージョン200:  バージョン 199 からバージョン 200 への差分 vhdx
               バージョン 0 からバージョン 200 への差分 vhdx

定期マージで作成されたディスクの削除

定期マージ機能で生成された vhdx ファイルを削除したい場合は HotateAdmin.exe コマンドに対して、/NoPeriodicMerge と /CleanPeriodic の両方を指定して実行してください。