4. デプロイモジュールの作成

初期デプロイのためのモジュールを作成します。 このモジュールは以下の手順で作成します (この作業は、CO-Spray のサーバーや端末に限らず、任意のサーバーや端末上で行うことができます)。

4.1. Windows ADK をダウンロードしてインストールする

以下の手順で、初期デプロイ用のモジュールを作成する作業を行う端末に対して、Windows ADK をインストールしてください。

(1) Windows ADK のインストーラをダウンロードする

Windows ADK のインストーラを以下の URL からダウンロードします。

Windows ADK にはいくつかのバージョンがありますが、「展開する OS と同一バージョン」もしくは「展開する OS より上位のバージョン」の Windows ADK を選択してください。

メモ

Windows ADK for Windows 10, Version 1809 では、Windows PE の機能が Windows PE add-on for the ADK として分離されています。 Windows PE add-on for the ADK もあわせてダウンロードしてください。

なお、CO-Spray は、Windows 10, Version 1809 用の Windows ADK で動作確認を行っています。

(2) Windows ADK をインストールする

ダウンロードした adksetup.exe を実行し、起動したインストーラにおいて少なくとも次の 2 つの機能を選択してインストールしてください。 インストール先のパスはすべてデフォルトのまま変更しないでください。

Deployment Tools
展開イメージの管理を行うツール (DISM) などが含まれます。
Windows プレインストール環境 (Windows Preinstallation Environment)
Windows PE と通称されるものです。 Windows ADK for Windows 10, Version 1809 以降においては、別途ダウンロードした adkwinpesetup.exe (Window PE add-on for the ADK) を利用してインストールしてください。

これらのモジュールに、CO-Spray が利用するファイルが含まれます。

4.2. ツールを展開する

Windows ADK をインストールした端末において、CO-SprayDeploy.msi または CO-SprayDeploy64.msi を実行してください。 利用許諾書面に同意の上で「次へ」を押して、インストールを完了してください。

メモ

CO-SprayDeploy.msi および CO-SprayDeploy64.msi はインストール時に次の処理を実施します。

  • C:\Program Files\CO-CONV\CO-Spray\deploy に実行ファイルをコピーします。
  • スタートメニューに CO-Spray デプロイ イメージ作成ツール を登録します。

4.3. 初期デプロイ用のモジュールを作成する

次の手順でデプロイ用のモジュールを作成してください。

  1. スタートメニューから CO-Spray デプロイ イメージ作成ツール を実行します。 または C:\Program Files\CO-CONV\CO-Spray\Deploy\DeployImageBuilder.exe を実行します。

  2. アーキテクチャ は x86 か x64 かを選択してください。

    ここでの選択は「CO-Spray により配信されて動作するディスク イメージ内の OS のアーキテクチャ (x86/x64)」とは関係なく、CO-Spray によりディスクイメージの配信を受ける端末のハードウェアに依存して選択するべきものです。

    通常は x64 版を選択しておけば動作すると思われますが、一部のハードウェアにおいては x86 でないと動作しない場合があります (ただし、どちらが適切かは事前にはわからないので、両方試してください)。

  3. 制御サーバー (CO-Spray サーバー) のIP アドレスを入力します。

  4. ドライバー にデプロイ用のモジュールを起動した際に利用するネットワークドライバを指定します。

    WinPE には、ほぼ全てのネットワーク インタフェイスのドライバが含まれていますが、最新のインタフェイスの場合等、WinPE にドライバが含まれていない場合があります。 この場合には、各ネットワークインタフェイス用の NDIS6.4 用のドライバファイル群を入手し、「デプロイ用モジュール」の作成時に適切な .inf ファイルを指定してください。

    ※ Intel 製のNIC のドライバの入手方法について、巻末の補足に解説します。

  5. 管理イメージの配布方法 を決定します。

    通常は、 [デプロイイメージに含める] を選択してください。

    ただし、「BIOS 環境でUSB ブートが非常に遅い」「TFTP サーバーから大きなファイルを配布したくない」といった事情がある場合には、[管理イメージを共有フォルダから取得する] を選択し、次の手順で共有フォルダーを準備します。

    共有フォルダーの設定手順

    サーバー上の任意の場所にフォルダを作り、そのフォルダを共有する設定をしてください。 共有名は任意です (以下の説明では、例として共有名を Deploy とし、この共有には ¥¥Server¥Deploy でアクセスできるものとして説明します)。

    端末から共有フォルダにアクセスするためのアカウントを作成して、共有フォルダにアクセスできるように設定してください。 各端末は、初期デプロイの際にここで作成したアカウントとパスワードでサーバーの共有フォルダにアクセスします。

    デプロイ イメージ作成ツールに共有フォルダーの情報を入力します。

    UNC パス:共有フォルダーの UNC パスを指定します (例: ¥¥Server¥Deploy)。
    ユーザー名:共有フォルダーにアクセスするためのユーザー名 (DOMAIN\username など) を指定します。
    パスワード:共有フォルダーにアクセスするユーザーのパスワードを指定します。

    設定した内容が適切かどうかは 確認 ボタンを押して確認できます。

    警告

    共有フォルダーのパスワードは暗号化等されることなく初期デプロイ用のイメージ内に そのままの文字列で保存される ため、他の目的には使えないアカウントを新規に作成して利用することを推奨します。

    この共有フォルダからは読み取りしか行わないため、セキュリティーを高めるために共有フォルダには 読み取りの権利のみを与える ように構成することを推奨します。

  6. 「作成開始」ボタンを押して、モジュールを作成します (作成には数分〜30 分程度かかることがあります)。

  7. 上記の、手順 5. で「管理イメージを共有フォルダから取得する」を選択した場合は、画面上の「共有フォルダの設定手順を表示する」をクリックして、表示される内容に従ってファイルをコピーしてください。

4.4. デプロイ用のモジュールを出力する

前項目で作成した初期デプロイ用のモジュールを利用して端末を起動する方法には、以下の 3 つがあります。 環境に応じて利用しやすい方法を選択してください。

  • CD または DVD に焼いて、端末を CD ブートする
  • USB メモリにデプロイ用のモジュールを入れて、端末を USB ブートさせる
  • TFTP サーバー上において端末をネットブートさせる

それぞれの方法の手順を以下に説明します。

CD または DVD に出力する場合

CD または DVD に出力して、端末を CD ブートします。

  1. [出力] ボタンを押します。
  2. [CD または DVD に出力する] を選択します。
  3. ISO ファイルのパス に ISO ファイルを出力するパスを入力します。
  4. [OK] ボタンを押します。「成功しました」と表示されることを確認します。
  5. 出力された ISO ファイルの中身を CD または DVD に書き込みます。

USB デバイスに出力する場合

USB メモリや USB HDD に出力して、端末を USB ブートさせます。 USB メディア内のデータが初期化されてしまう点に注意してください。

  1. [出力] ボタンを押します。
  2. [USB デバイスに出力] を選択します。
  3. USB デバイス で USB デバイスのドライブレターを選択します。
  4. [OK] ボタンを押します。「成功しました」と表示されることを確認します。

メモ

DiskPark errorlevel –2147024809 のようなエラーが表示される場合は次の点を確認してください。

  • ドライブのサイズが 32GB より大きい場合は、サイズを小さくしてください
  • GPT ディスクの場合は MBR ディスクに変換してください

ネットブートで利用する場合

TFTP サーバーがファイルを提供するように設定して、ネットブートで利用します。

TFTP サーバーが存在しない場合はインストールします。

重要

TFTP サーバーは、階層化されたフォルダを扱えるものを選択してください。

(例) tftpd64 http://tftpd32.jounin.net/tftpd32_download.html

Citrix PVS TFTP Service は階層化されたフォルダは扱えません。

TFTP サーバーが扱うデータ フォルダーに、次の 2 つのフォルダの下にあるすべてのファイル/フォルダを配置してください。

  • C:\ProgramData\CO-CONV\CO-Spray\deploy\WinPE\media
  • C:\ProgramData\CO-CONV\CO-Spray\deploy\PXE

端末が UEFI モードで起動する場合は、上記の作業に加えて C:\ProgramData\CO-CONV\CO-Spray\deploy\WinPE\media\EFI\Microsoft\Boot\BCD を TFTP サーバーのデータ フォルダーの Boot\BCD に上書きコピーしてください [1]

[1]BIOS モードでも起動する可能性がある場合は、上書き前の Boot\BCD はバックアップしてください。 BIOS モードで起動するときには、バックアップしたファイルを復元してください。

注意

CO-Spray 5.0.1 までは、C:\ProgramData\CO-CONV\CO-Spray\deploy ではなく C:\Program Files\CO-CONV\CO-Spray\deploy\deploy に出力されていました。

DHCP サーバーにおいて、スコープ オプションに次の設定を実施してください。

オプション名
066 ブート サーバー ホスト名 TFTPサーバーの IP アドレス
067 ブート ファイル名 BIOS のときは PXEboot.n12。 UEFI のときは EFI\Boot\bootx64.efi