5. 初期イメージの作成

初期デプロイにおいて配信するディスクイメージを、特に「初期イメージ」と呼ぶことにします。 初期イメージは以下のいずれかの方法で作成できます。

新規インストールする
Windows がプレインストールされたひな型機のハードディスク内に、新規にディスクイメージを作成し、そこに新規に Windows をインストールします。
すでにインストールされているイメージを変換する
ひな型機のハードディスクにインストールされている Windows のファイル群をそのままディスクイメージに変換します。
その他の方法
いずれの手順でも問題なく動作しますが、Microsoft が公式にサポートしているのは「新規インストールする」手順となります。

5.1. 新規インストールする

この手順は、CO-Spray で配布するディスクイメージを新規インストールにより作成するものです。

注意

この作業を実施する端末には Windows がインストールされている必要があります。 また、ディスクイメージの作成後の更新作業は CO-Spray を利用する端末上で行う必要があります。

  1. 端末に Windows がインストールされていて適切に起動できることを確認して、シャットダウンします。

  2. Windows をインストール DVD から起動します。

  3. [カスタム:Windows のみをインストールする (詳細設定)] を選びます。

  4. 次の手順でディスクイメージを作成してマウントします。

    1. インストール先のディスクやパーティションを選択する画面で Shift + F10 を押してコマンドプロンプトを出す

    2. diskpart コマンドによってディスクイメージを作成して、マウントする

      ※ ここで指定するディスク名は一時的なものなので、任意に設定してください。

      (例) MyDisk というディスク名で 64GB (65,536 MB) のイメージを作成する場合

      > diskpart.exe
      DISKPART> create vdisk file=C:¥MyDisk.vhdx maximum=65536 type=expandable
      DISKPART> select vdisk file=C:¥MyDisk.vhdx
      DISKPART> attach vdisk
      DISKPART> exit
      
    3. コマンドプロンプトを閉じる

  5. [最新の情報に更新] をすると、新しいディスクが [ドライブ 1 の割り当てられていない領域] として見えるので、ここを選択して、[次へ] を押します。

    注意

    「このドライブに Windows をインストールすることはできません」という警告 が出ることがありますが、無視してください。

  6. Windows のインストールを完了します。

    ホスト名や管理者アカウントは任意のもので構いません。インストールが完了すると、ディスクイメージ内の OS で起動します。

  7. ファイアウォールの規則を追加します。

    [セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] を開きます。ツリーの [受信の規則] を選択して、メニューから [操作] > [新しい規則] を選択して、次の設定で 2 つの規則を追加します。

    ・規則の種類: ポート
    ・プロトコル: TCP
    ・特定のローカルポート:  18548
    ・操作: 接続を許可する
    ・プロファイル: ドメイン、プライベート、パブリック
    ・名前: CO-Spray - 配信サービス (TCP 受信)
    
    ・規則の種類: ポート
    ・プロトコル: UDP
    ・特定のローカルポート:  18548
    ・操作: 接続を許可する
    ・プロファイル: ドメイン、プライベート、パブリック
    ・名前: CO-Spray - 配信サービス (UDP 受信)
    
  8. 端末を再起動して、ブートメニューからプレインストールされている Windows を選択して再起動します。

    デフォルトでは新規にインストールした Windows が選択されているため、選択されていないほうがプレインストールされている Windows です。

  9. 起動した Windows にログインし、作成したディスクイメージ (C:¥MyDisk.vhdx) をサーバーに転送します。

  10. サーバーでディスクをインポートします。

    サーバーに管理者権限でログオンして、CO-Spray コンソールを開きます。 [ファイル] > [ディスクのインポート] を選択し、以下のとおり設定して [インポート] ボタンを押します。

    [パス]:

    サーバー上に転送した vhdx ファイルのパスを入力します。

    Tips

    vhdx ファイルが ディスク イメージを保持するフォルダ の中に存在する場合はエラーになります。 その場合は別のフォルダー (C:\tmp など) に移動してから作業してください。

    [系列名]:

    ディスクの系列名 (名前) を入力します。

    [インポート方法]:

    [移動] を選択します。

5.2. すでにインストールされているイメージを変換する

この手順は、端末に Windows がプレインストールされていることを前提とします。 CO-Spray で配信するイメージはプレインストールされている Windows やアプリケーションをそのまま使います。

  1. 事前準備

    • ドメインに参加している場合は、事前にドメインから抜けてください。
    • C:¥ で BitLocker が有効になっている (ないしは BitLocker が準備中となっている) ときには、manage-bde -off C: コマンドにより、BitLocker が解除された状態にしてください。
  2. ファイアウォールの規則を追加する

    [セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] を開きます。ツリーの [受信の規則] を選択して、メニューから [操作] > [新しい規則] を選択して、次の設定で 2 つの規則を追加します。

    ・規則の種類: ポート
    ・プロトコル: TCP
    ・特定のローカルポート:  18548
    ・操作: 接続を許可する
    ・プロファイル: ドメイン、プライベート、パブリック
    ・名前: CO-Spray - 配信サービス (TCP 受信)
    
    ・規則の種類: ポート
    ・プロトコル: UDP
    ・特定のローカルポート:  18548
    ・操作: 接続を許可する
    ・プロファイル: ドメイン、プライベート、パブリック
    ・名前: CO-Spray - 配信サービス (UDP 受信)
    
  3. ディスクサイズを小さくする

    最終的に利用するディスクイメージのサイズに合わせて C: ドライブのパーティションのサイズ (未使用領域も含む) を縮小してください。

    Windows に付属する「ディスクの管理」では十分に小さくできないことがあります。 そのようなときには Ubuntu などの Linux のインストーラを起動して、gparted などのツールを利用してパーティションサイズを縮小してください。

  4. サーバー側にファイル共有を作成します。

    サーバー上にディスクイメージを配置するためのファイル共有を作成してください。

    ファイル共有は、Windows の標準機能を用いて作成できます。

  5. システム イメージ バックアップを利用して C: ドライブの内容をサーバー上のファイル共有に出力します。

    Windows 8の場合

    [コントロール パネル] > [Windows 7 のファイルの回復]から、[システム イメージの作成] をクリックして、ウィザードの指示に従って作成してください。

    Windows 8.1 の場合

    [コントロール パネル] > [ファイル履歴] から、[システム イメージ バックアップ] をクリックして、ウィザードの指示に従って作成してください。

    Windows 10 の場合

    [コントロール パネル] > [バックアップと復元 (Windows 7)] から、[システム イメージの作成] をクリックして、ウィザードの指示に従って作成してください。

    この作業の結果として、共有フォルダとして指定した WindowsImageBackup¥(ホスト名)¥Backup 2014-11-14 013746 などのフォルダに、

    • 1da6833a-6b9d-11e4-be65-806e6f6e6963.vhdx (7.71 GB)
    • 1da68339-6b9d-11e4-be65-806e6f6e6963.vhdx (254 MB)

    のように先頭部分が異なるファイル名で出力されます。

  6. サーバーでディスクをインポートします。

    サーバーに管理者権限でログオンして、CO-Spray コンソールを開きます。 [ファイル] > [ディスクのインポート] を選択し、以下のとおり設定して [インポート] ボタンを押します。

    [パス]:

    共有フォルダに出力された vhdx ファイルのうち、C: ドライブに相当するサイズの vhdx ファイルのパスを入力します。

    Tips

    vhdx ファイルが ディスク イメージを保持するフォルダ の中に存在する場合はエラーになります。 その場合は別のフォルダー (C:\tmp など) に移動してから作業してください。

    [系列名]:

    ディスクの系列名 (名前) を入力します。

    [インポート方法]:

    [移動] を選択します。

5.3. その他の方法

推奨はしませんが、上記 (1) (2) の手順のほか、さまざまな方法で vhd ブートのための初期イメージを作成できる可能性があります。 上記の方法が使えない場合には環境に応じて試みてください。