1. CO-Store 概要

 このドキュメントでは、CO-Store の導入手順を説明します。

 作業の前提として、「PVS 環境の構築(PVS サーバーおよび SQL サーバーのインストールと設定)」および「PVS 環境におけるファームの構築」は完了しているものとします。

 CO-Store はファームごとに導入し、1 つのファームを管理します。

1.1. CO-Store について

 CO-Store は、PVS で構築されたシステムの運用を支援し、PVS のストアに属するディスクの管理を容易にします。

 PVS 環境ではディスクは複数のストアに分けて管理されますが、それらのうち 1 つないし複数を CO-Store の管理対象として選択できます。 CO-Store では、以下の操作を行うことができます。

ディスクの管理

  • バージョン管理(新規バージョンの作成、バージョンの削除)
  • コピーによる新たなディスクの作成
  • 端末へのディスクの割り当て、割り当ての解除

端末の管理

  • 端末の電源管理(電源 ON/OFF、再起動)

端末起動の制御 (CO-Booter)

  • ディスクごとの端末同時起動最大数の制限
  • 複数のディスクを割り当てた際のブートメニュー表示の改良
  • 更新作業における保守端末起動時のブートメニュー表示のスキップ

管理者権限の管理

  • 管理者ごとに管理対象となる端末やディスクを限定する

ファーム・ストア間の連携

  • 異なるファーム及びストア間でのディスクの同期

高可用性

  • データベース障害時における、データベースのキャッシュ情報に基づく端末起動

1.2. PVS サーバーの役割

 CO-Store 環境では、PVS サーバーは 3 種類のいずれかの役割を担います。 いずれのサーバーも端末に対してディスクイメージを供給します。また、マスターサーバーおよびスレーブサーバーのローカルディスク上にディスクイメージを保持する構成となります。(CIFS 共有上にディスクイメージを置く構成はサポートされません。)

マスターサーバー
PVS サーバーのうちディスクの更新作業などに利用されるもの
各ストアのディスクを更新する際に利用するサーバーを選択してください
ストアごとにマスターサーバーが共通でも異なっていても動作には影響ありません
スレーブサーバー
ディスクを保持する PVS サーバーのうち、マスターサーバー以外の PVS サーバー
追加サーバー

ディスクを持たない PVS サーバー

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マスターサーバーは 1 つの CO-Store 管理ストア当たり 1 台のみ、スレーブサーバーと追加サーバーはそれぞれ複数台設置することが出来ます。 (CO-Store 管理ストアについては、次節参照)
マスターサーバー上で更新されたディスクは、各スレーブサーバーにタスク処理を通じて自動的にコピーされます。
追加サーバーは、マスターサーバーないしスレーブサーバーの持つディスクのファイル共有を介して利用します。

1.3. CO-Store 環境におけるストアの構成について

 CO-Store は、PVS のストアの 1 つないし複数を管理対象とします。PVS のストアのうち、CO-Store の管理対象とするストアのことを「CO-Store 管理ストア」と呼びます。

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 あるストアを管理対象として CO-Store に登録をすると、管理目的に 2つのストアが新規に作成されます。もとのストア名が Store の場合には、 Store-DiffStore-Link という名前のストアが作成されます。

 これらの -Diff および -Link という名前のストアは CO-Store が管理するストアですので、 これらのストアに属するディスクを PVS コンソールなどを通じて直接操作しないでください。 なお、もとのストアおよび -Diff のストアを提供するサーバーは「マスターサーバーのみ」と設定されます。

各ストアの用途は次の通りです。

メインストア
ディスクイメージのほぼすべてを保持するストアです。
PVS が構成するストアやディスクと差はありません。
このストアのディスクはディスクの更新作業の場合にのみ直接用いられます。
そのため、このストアを提供するサーバーはマスターサーバーのみと設定されます。
Diff ストア
ディスクのコピーにより作成され、他のディスクに依存したディスク。
このストアを提供するサーバーはマスターサーバーのみと設定されます。
Link ストア
多数の端末が起動する際に利用するディスクを保持するストアです。
すべてのサーバーがこのストアを提供するように設定されます。
CO-Store を利用して端末に対してディスクが割り当てられた時には、CO-Store がこのストアに自動的にディスクを作成し、端末に対して割り当てします。
ディスクを割り当てられた端末が1台も存在しなくなると、CO-Store は一定時間後にこのストアのディスクを削除します。

1.4. CO-Store を利用する上での注意事項

  • ディスク名が @n(数字) で終わるディスクは利用できません。
    ex) disk@5, labo@18, ...
    • 既存のストアを CO-Store に登録する場合、ディスク名が @n(数字) で終わるディスクは除外してください。
      そのような名前のディスクが存在する場合にはご相談ください。
  • プライベート イメージ モードのディスクを扱うことはできません。
    プライベート イメージ モードのディスクの場合にはディスク情報に警告ボタンが表示されます。
    警告ボタンをクリックすると 標準イメージ に変更してもよいかの確認ダイアログが出ますので、[OK] を押して変更した上でご利用ください。
    (PVS コンソールでアクセス モードの変更をしても構いませんが、キャッシュの種類 は「ハードディスクのオーバーフローありデバイス RAM にキャッシュする」を推奨します。)
  • 端末へのディスクの割り当ては、CO-Store を使ってください。
    CO-Store で端末にディスク割り当てをする際には Link ストアに新規にディスクを作成し、そのディスクに対して端末を割り当てます。この一連の端末に対するディスクやバージョンの割り当ての制御は CO-Store が行います。原則、PVS 側でのディスク割り当て機能は利用しないでください。
  • PVS の自動更新機能との併用はできません。
    代わりに、CO-Store の自動更新機能をご利用ください。
  • 複数バージョンを持つディスクの場合、vhd(x)、avhd(x) ファイルの名前を手動で変更して PVS に登録しようとしても適切に動作しませんので、ご注意ください。
    (これは CO-Store 固有の制限ではなく、vhd(x) ファイルの仕様によるものです。)
  • 原則、PVS コンソールやエクスプローラーを利用して vDisk をマウントしないようにしてください。
    とくに、Link ストア内のディスクについては 絶対に マウントしないでください。
    ディスクが破壊され、マウントしたバージョンより新しいバージョンは二度と利用できなくなります (復旧は不可能です)。
    エクスプローラーについては、ダブルクリックからマウントしてしまう可能性もあるため、とくに注意が必要です。
  • エクスプローラーを利用しての vDisk ファイル (.(a)vhd(x), .pvp) の削除はしないでください。
    必ず CO-Store コンソールから、ディスク削除やバージョン削除を行うようにしてください。
    中間バージョンのファイルを削除してしまうと、削除した以降のバージョンすべてが二度と利用できなくなります。