2. ReadCache システムについて¶
2.1. 概要¶
「ReadCache システム」は、Citrix Provisioning Services (PVS) を用いたネットブート環境を改善し、従来製品にはない独自のキャッシュ機構によりサーバーの負荷を軽減します。「ReadCache システム」を利用することで、少ないサーバー台数で多数の端末を管理できるようにするネットブート型クライアントソフトウェアです。
- 多数の端末を一斉起動したときにも起動時間はほとんど変化しない
- 端末数百台に対してサーバー1台でも実用的に利用できる (性能はネットワーク構成にも依存します)
- サーバーの台数が減ることで導入コストも管理コストも下がる
- 1000 台を超すような大規模での実績も多数
2.2. ReadCache の動作原理¶
ReadCache は PVS ドライバにまったく手を加えることなく、PVS ドライバとアプリケーションの間に挟みこまれる形で導入されます。
Read の動作 (キャッシュがない場合)
初めて読み込む領域でまだキャッシュされていない場合、サーバーからネットワーク越しに取得したデータをキャッシュ用パーティションにコピーして保存します。
Read の動作 (キャッシュがある場合)
キャッシュされている場合には、そのデータを読み込み、サーバーにはアクセスしません。
Write の動作
書き込みについては、なんら関与しません。 PVS のキャッシュの種類を「サーバーにキャッシュする」以外にすると、サーバーへのアクセスは発生しません。
2.3. キャッシュ先読みについて¶
端末の起動時には、起動処理に必要なプログラムやデータを大量に読み込みを行いながら起動するため、キャッシュデータからの読み込み処理が大量に発生します。また、ユーザーのログオン時にはプロファイルの転送などにより起動ディスクへの書き込みが大量に発生します。これらが同時に発生すると端末内のドライブへのアクセスが過大となり動作が遅くなることが懸念されます。
そこで ReadCache システムは、端末起動時のディスクアクセスを減らし、起動時間を短縮するために、キャッシュ先読みをする機能があります。ReadCache システムが端末内に貯めるキャッシュは、起動時に読み込まれる部分がキャッシュ領域の先頭の方にまとまるような構造になっています。そのキャッシュ領域の先頭部分を端末起動時にはまずまとめて端末内のメモリーに読み込み、メモリー上のデータを用いて起動処理をすることで、ドライブへのアクセスを減らします。この機能を「キャッシュ先読み」といいます。